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撮影こぼれ話①

制作助手の谷上です。
東京芸大映画専攻の先輩のキムさんが自主映画を撮る、しかもオールロケ渋谷というのでこれは面白そうと参加したのですが、大晦日の夜が舞台の話なので当然撮影はいつも夜。冷え性の私にはとにかく寒かった。これを書くために撮影時のことを思い出していますが、背筋がぞくぞくしてきました。靴下2枚履いて足の裏用のカイロを2つと背中に貼っていても寒かったなぁ…
この映画は様々な事情で渋谷にやってきた6人が、渋谷の東西南北、色々な場所に出没していきます。
役者さんたちが演技をして、撮影がすすんでいくのをジッと見ていたわけですが、その場所が特別に撮影のためにあつらえたロケセットではなく自分が何度も通ったことがあるような街角なので、誰か他の人の人生に起こった出来事を覗き見ているような気持ちになっていました。映画の中の「まさかウソでしょう」ということが、「残念ながらホント」のことに思えてくる、なぜ「残念ながら」なのかは本編を観ていただければとおもいますが、街のリアルさとウソっぽさのバランスが、さすが渋谷系、さすがキムさん。
個人的な思い出としては、とあるシーン用に作った(調理した?)大量の嘔吐物が我ながらこれまで作ったものの中でトップ3に入る気持ち悪さでした。これまた思い出すと背筋がゾクっとするポイントです。
そして渋谷の新年カウントダウン。監督たちメイン隊と離れたところで撮ることになって、隣にいた若者たちに場所を譲ってもらいながら人のうねりをカメラに収めました。スクランブル交差点で新年を迎えるために遠路はるばるやってきたあの若者たちにもこの映画見てもらえるといいなぁ。
谷上 香子